唐沢の滝とは
凍った滝を登るアイスクライミング。
そのフィールドとしてメジャーな場所の一つが、唐沢の滝です。
唐沢の滝は、廻り目平キャンプ場から徒歩1時間程度の場所にあるためアプローチもよく、廻り目平に一泊して宴会も可能という好立地な氷瀑です。
冬の廻り目平野営についてはこちらから
アプローチ
車は、入口ゲートの先を右折した先にある、大きな駐車場に停めるとアプローチが近いです。
カモシカ登山道を道なりに進んでいけばたどり着けるので、ヤブ漕ぎもルートファインディングも不要です。
所要時間は1時間10分。
案内標識もあるので、迷うことはないと思います。

序盤はゆるやかな登りですが、終盤はまあまあ傾斜がきつくなります。
それにしても、今年は雪が少ない。

氷瀑にて
アプローチ途中、沢水が普通に流れていたので、もしかしたら凍っていなかったりして・・・と思ったものの、ちゃんと凍っていました。
久しぶりに来てみたら、記憶よりもデカい滝に見えてビックリ。
こういうのを間近で見ることができて、なおかつ登って遊べるというのは、アイスクライミングをやる人の特権ですね。
滝は二段構成になっており、中間部分に支点を作ってトップロープを張りましたが、50mロープでちょうど目一杯、すなわち下段部分だけで高さ25m近くあるということです。

トップロープ支点を作るために滝の上部へと上がることにします。
下から見上げて滝の左側、右岸側から、滝の中断部分相当の高さまで高巻きしましょう。
木が豊富にあって、問題なく登れそうでもありますが、斜度がきついので万一に備えてロープ確保することにしました。
ここはNおじさんに、リードで頑張って登って頂きましょう。
我々は下でビレイしながら、
「これが登れなかったもうタダのおじさんだねw」
などと軽口をたたいていました。
頑張って登るおじさんの図

Nおじさん、無事に目的の高さへと到達しまして、我々二人もそこまで上がりました。
さて私はここから、滝の真ん中あたりに支点を作るべく、滝の中央部へ向けて、つるつるの氷の上に足を踏み出さねばなりません。
私の命はNおじさんに託されます。
ビレイするおじさんの図

・・・あれっ?いっけね!
などどコントをやりつつも、地上から約25m、落ちたらただではすまない高さです。
とぅるんとぅるんの氷の上に足を踏み出すのは、なかなかに勇気がいります。
しかしここで退いては、なんのためにここまで来たのか分からないので、行くしかないのだ。

V字スレッドで支点を作りたかったのですが、痛恨のVスレ用フック忘れ。
やむなくアイススクリューで支点作成し、立木から補助ロープでバックアップを確保し、「ビレイ解除」のコールを出します。
ドキドキしながら支点を作っている私に、「大丈夫?セルフ取れてる?」と、Nおじさんのフォローがあたたかい。
なおV字スレッドとは、アバラコフとも呼ばれ、アイススクリューで氷の壁にV字に穴を開け、そこにロープを通して支点とする技術です。
さて、支点が作れたら、そこから懸垂下降で地上に戻ることになります。
立木でバックアップを取ったとはいえ、アイススクリューなんて氷にぶっ刺しただけとしか思えないし、その支点に全てを預けて懸垂下降で降りるのは、結構コワイ。
でもこの支点がパーティー全員を支えるのですから、作った私が信じられないなんて、お話になりません。
そんなことは分かっているのですが、実際に自分が当事者となって支点を作成し、人の命を預かるとなると、なんとも言えないプレッシャーと恐怖心が襲ってきます。
でもこのドキドキが、クセになるんだろうな。
アイススクリューのスペックはこちらから
支点構築も無事終わり、今シーズン初アイススタートです。
Nおじさん、ガンバ!

続きましてT青年もガシガシ登ります。

私も久々に、氷瀑を登ってみます。
足の古傷がどうかと思いましたが、大丈夫だったので一安心。
それにしても、あの穴が住み心地よさそうに見えます。
夏にどうなっているのかを見たことはありませんが、凍っている時は、小動物が住んでいそうな、いい感じの洞穴になるのです。

T青年とは持ち物がかぶりがちですが、アックスもかぶっています。
ザックも同じなのですが、色違いかと思うぐらいに汚い私のザック。
あまり色々買わないようにしているので、同じザックばかり使うせいでしょう。
なにしろ近々ニートになりたいと思っているので、やたらと装備を買うわけにはまいりません。


アックスのスペックと、驚愕のお値段はこちらから。
これが2本必要なのですから、アイスクライミングは何しろお金がかかります。
しかも円安だとなおさら!!!
夜はいつもの宴会
本日の幕営場所は、大駐車場のすぐそばとしました。
荷物を干すのに好都合な、日当たりの良い場所です。
それにしてもこれ全部で、一体いくらになることやら。

Nおじさんの、今夜のお宿。
G-Lightのテントの他にも、こんなテントもお持ちです。
住宅ローンを抱えているから大変だとか言いつつ、やっぱり色々と持っているものなんですよね。
山道具はいちいち非常に高価ですし、若者は単純に金がなかったり、大人には色々な事情があったりで、そうそうあれこれ買えるものではありません。
しかしながら、やはり類は友を呼ぶわけで、私を含め周囲の人達は、こういうものを持っているのが当たり前なのです。
それが実は感覚マヒ状態なのだということを、最近知りました。

今夜の宴会場所はモンベルのステラリッジ3。
冬の廻り目平では、派手に焚火をしながら暖を取るのが常でしたが、薪集めがめんどくさくなってしまい、テント内での宴会としました。
このステラリッジは、私が2018年(8年前)に、冬の宴会場所用に購入したものです。
安いからいいわーと思っていましたが、購入履歴を確認したところ、本体が37,476円、グラウンドシート5,400円、フライ16,280円でした。
グラウンドシートを省いても、53,756円!
やっぱりお金がかかるわ・・・。

3人寝られるテント内ですから、テーブルを広げての宴会も可能。

からしのべスポジが見いだされる。

寒い時は、あたたかい鍋が美味しい。
刺身のツマも投入する、エコでサスティナブルでSDGsな鍋です。

鍋をしたらNおじさんの眼鏡が曇るので、
T青年 「眼鏡も鍋にいれちゃおっか」
里美 「だったらNおじさんも鍋にいれちゃおっか」
Nおじ 「みんなの血となり肉となり・・・あ、でも消化できなくて下痢しちゃうかも」
バラムツかよ!
そんな話はさておき、星空もきれいな快晴の夜。
すなわち放射冷却で冷え込むってことでした。
テントもタープも、ちゃんと凍りました。
廻り目平での冬の野営は、冬山テント泊の予行練習におすすめですよ。

翌朝、薪を集めて焚火をする音がテントの外から聞こえてきました。
結局焚火をせずにはいられない。
T青年 「これだけ狼煙を上げれば、助けにきてくれるかもね」
Nおじ 「生活を助けてください」
T青年 「うわっ!貧しいっ!!!」

まだまだ時間に余裕があるので、周辺をお散歩します。
雪で白くなった静かな森と青い空、これだけでも、来る価値はあると思います。

この川を渡渉した先に、烏帽子岩左稜線があるのですが、渡渉した足跡がありました。
あそこはずーっと日陰で寒いルートなのに、よくやるなぁ。

下山後のおすすめランチ
帰路の寄り道は、定番の清泉寮。
清泉寮といっても、用があるのはジャージーハットぐらいですので、車を停めるならここがおすすめ。
メニューはこんな感じです。

今日は山賊バーガータルタルソースを選択。
どれを食べても美味しいのですが、ハンバーガーが960円って高いなと、ふと我に返ってしまいました。
でもこの界隈にくると、ついつい寄ってしまうんだよなぁ。
そしてデザートに、ジャージー牛乳プリンも頂くんだよなぁ。

久しぶりに、晴れた清泉寮からの景色を見ました。
何しろ見晴らしがよくて、広々とした感じがいいのです。
周囲にはお散歩道がありますから、ぜひ探索してみてください。

赤岳を背負った、ヤマネミュージアム。
こんなおうちに住めたら素敵だなと、見るたびに思います。

ジャージーハットの外にはこんなベンチがあって、寒くない時期なら、ここでハンバーガーを頂くのも最高です。

廻り目平ではアイスクライミングをしなくとも、冬の野営に挑戦してみたり、氷瀑を間近で見てみたり、冬の森を楽しんだりできます。
しかも冬は無料で泊まれます(水もトイレもないけど)。
そんなパラダイスを守るためにも、どうかみなさん、ご自分のブツは持ち帰りましょう。
でないと、春に汚物だらけで困ってしまった川上村が、冬の廻り目平を立入禁止にしてしまうかもしれません。
貴重な遊び場を、みんなで守りましょう。