山がつないだメンバーズ
今回の遡行日は2025年9月2日~3日、メンバーは私の他に、いつメンのNおじさんとT青年、そしてO河の4人パーティー。
O河に会うのは1年ぶりぐらいでしょうか。
まだ30歳になるかならぬかのO河と、私たちををつないだのは、湯俣の晴嵐荘でした。
O河との初めての出会いはこちらから~まだO川だと思っていた頃
O河と二人で遡行した鞍掛沢の記録
夏休みに岩井谷を一緒に遡行しようと計画していた私達でしたが、天候不良やO河のコロナ感染により実現せず。
その後、9月の平日にO河が決死の覚悟でねじ込んだ有給休暇のおかげで、今回の釜ノ沢遡行が実現しました。
久しぶりに会ったO河は車を買い替えていて、
「おめー、残クレなんじゃねぇの!?」
と、いじられまくっていました。
O河いわく、「残クレじゃないけど、ダブルローン」とのこと。
ご利用は計画的に。

釜の沢へのアクセス
釜ノ沢を遡行する際は、西沢渓谷の駐車場に停めます。
これまで何度か訪れた際に、停めるのに苦労したことはないのですが、時期によっては非常に混雑することもあるらしいです。
その場合は、手前の道の駅(徒歩5分程度プラス)を利用すればよいでしょう。
今回の沢は観光地として名高い西沢渓谷からアクセスできる、初めての沢泊にもよく利用される人気ルートです。
入渓点からホラ貝のゴルジュ付近への巻き道がしっかりしており(沢の割には)、巻き道を活用する分には初心者向けのルートとして愛されていますが、巻かずにホラ貝も突破する場合は、難易度が3倍ぐらいになります。
国道140号から「西沢渓谷」の看板を目印に入ってくると東沢山荘があり、左側の下り坂を下れば、無料駐車場です。
そのまま直進するとすぐに行き止まりで、道の脇は有料駐車場でUターン不可、進入すると怒られるらしいので、お気を付けください。
ちなみに「山荘」といっても、現在は宿泊はできないようです。

舗装路を西沢渓谷に向けて歩くと間もなく、車止めのゲートがあります。
そのゲート脇に小さな蛇がニョロッといましたたので、軽くもてあそんでみました。
解放してあげると、あわてて逃げようとしましたが、コンクリートの段差が高くてちょっと戸惑っています。
Nおじさんが蛇の気持ちを代弁しつつ、駐車場から20分ほど歩くと、立派なトイレがあります。

こんな看板がありますが、もしかしたら入門ルートだからこそ、準備不足な人が安易に入渓してしまい、事故が多発するのかもしれません。

釜の沢へは、この看板があるところから、河原方向へ向けて右手へと進みます。

降り口はすぐ近くにあり、容易に分かるでしょう。

入渓点から今回の幕営地まで
水、少なっ!!!
この沢に来るのは3度目ですが、これまでに比して、劇的に水が少ないです。
ここからしばし河原歩きをした後、渓谷沿いのトラバース道をたどります。

入渓から40分ほど歩けば、あっという間にホラ貝のゴルジュです。
初めて見た時はすごく感激したものですが、あれから数々の沢を遡行して絶景を見てきたし、今回は水量が少なかったこともあって、なんとも肩透かしな感じではありました。

しかしO河は、まだこれが人生で2本目の沢。
水の美しさに思わず、ひゃっほー!といさみ飛び込んだところ、眼鏡をロストという期待を裏切らない結果に。
皆で探してみるものの、結局見つかりません。
「O河って視力どのぐらいなの?」
「0.1ありません」
「もう遡行無理じゃん!」
となりましたが、私も視力0.1未満で予備の眼鏡を持っていたため、先へ進むことができました。
どっぷり水につかって捜索するのは結構寒かった

この沢は、水の青さが際立っているのが特徴です。
しかし魚影がないのがさみしい。

初めて来た時はあんなに感動したのに、今となっては、
「きれいなだけだな!」
と、魚影がないことをディスりまくりです。

写真だとあまり迫力が伝わらないのですが、こういう壁が出てくるとテンションが上がります。

道中、いくつかの滝が左右から合わさります。
水量は非常に少なく、コケのぬめりがきつい。

水はきれいなんですよ。水は。
でも魚がいない。チッ。

O河、眼鏡を失ったものの、沢を満喫中。
装着中の眼鏡は、私の夜用メガネですが、妙に似合うな。

ここもかなりぬめりがきつくて、つるっつるでした。
水にドボンしても肉体的ダメージはないのですが、ドボンしたくないのが人情というもの。

O河はドボンしました。
決定的瞬間を撮影できなかったのが悔やまれます。

幕営準備と余興と
今回は両門の滝あたりで幕営しようと思っていたのですが、ぬめりにうんざりして、魚留の滝よりも手前で幕営することにしました。
両門の滝の先にある広河原で幕営して、甲武信ヶ岳まで詰め上がり、徳ちゃん新道を下山してくるのが一般的なのですが、既に経験しているルートだと、もうどうでもいいかな、なんて思ったりして。

O河も頑張って薪を切ります。
がんばれ若者。
私のゼットソーを、存分に使うがいい。

そして時間に余裕がある我々は、マーダーミステリーを楽しむことにします。
これは一生に一度しか遊べない、ストーリー体験型のゲームです。
参加人数に応じたストーリーラインナップがありますが、今回は4人用で。

マーダーミステリーとは、参加者が役になりきって、物語の謎を解き明かしたり、犯人を見つけたり、各自の目的を果たしたりしつつ、一期一会の物語を楽しむというものです。
二人用からありますが、人数が多い方が楽しいですね。
「高速深夜便の殺人者」では、Nおじさんが絶妙におじさん役を演じ切り、衝撃のラストにいざなわれました。
一生に一度と言いつつ、ネタバレを知った上で、他の人がプレイしているのを見るのも楽しいですよ。
焚火と宴会は沢の花
笑劇のアホウドリ物語(プレイした人なら分かる)を終え、それぞれの背景ストーリーを答え合わせして二度楽しんだ後、夜の宴会準備に移行します。

沢で冷やしたビールを回収。

この乾杯の瞬間が、最高なんですよ。
やっぱり一杯目はビールだなと。
これは譲れません。

O河も楽しそうに乾杯!

と言っても下戸なもんで、飲むのはコーラですが。
それでも、我々のテンションについてくることができるスキルを持っています。
そのスキルは、若者同士のコミュニティでは役に立つのか疑問です。

さて、今夜のおつまみも豪華ですよ。
私は鶏肉を、レモンと自家製バジルで風味付けしてみました。

T青年はフレッシュライムを持参。

そしてガーリックシュリンプを作り始めます。

イタリアンパセリを刻んで・・・

パンチがあるガーリックの香りを、爽やかなライムとイタリアンパセリが包み込む、ビールにもワインにも合う絶品おつまみが!!!
ハワイで食べたガーリックシュリンプより、断然美味しかった!!!

美味しかったこともさることながら、道中、
「今日のメニューは、ガーリックシュリンプですよ」
と聞かされた時のワクワク感と言ったら、なかったですね。
美味しいものは本当に人を幸せにします!
私がこれまで下界、沢、山を問わず、料理を作ってふるまってきた時に食べてくれた人たちも、同じようにワクワクしたり喜んでくれたりしたのかなと思うと、やっぱり料理って素晴らしいと思うのでした。
ライムが余ったので、パンチェッタにかけたら、これもまた激ウマ!!!
ライムを庭で育てたいと思いましたが、寒冷地では難しそうなので断念。

O河は相変わらず、田崎真也監修のソーセージを持参。
生産者の顔が見えるソーセージかと思ったというのが、下戸でソムリエに縁のないO河のエピソードでした。
その人、有名なソムリエだよ!!!

そんなO河は、大変美味しそうにカップラーメンをすすります。
最初から炭水化物というのが、下戸ならでは。

酒飲みのシメのご飯は、とっぷりと日も暮れてからの炊飯です。
煤で真っ黒になった鍋とシンプル軽量なチタンのゴトクで、焚火で飯を炊くというのが、NおじさんとT青年のこだわりです。

同ルート下降で徳ちゃん新道回避
翌朝、美しい流れから水を汲み、朝食の支度にとりかかります。

生米からおかゆを作ると美味しいんですよね。
卵と三つ葉も持参し、香り高く仕上げてみました。
味付けはフグだし塩で、てっちり後の雑炊気分です。

みそ汁担当がなかなか起きてこなかったので、起こして催促しました。
うすら寒い朝に、あたたかいお味噌汁は最高にしみますね。

100均のお椀が活躍しております。

朝食後、時間に余裕もあることだし、テンカラのキャスティングを練習してみたり。
O河は新たに入手したばかりの竿を持参していたのですが、さっそくどこかにからまったり、挙句の果てには一度も魚を釣っていないのに、穂先を折ってしまいました。
眼鏡ロストに続き、新品の竿を折ってしまうという、期待を裏切らない働きです。

さて、ぬめりがきつめの同ルートを、下降して帰ることとします。

O河、そこはドボンしないと。

昨夜炊いたご飯で作ったお弁当が、T青年とNおじさんの行動食です。
曲げわっぱに詰めるのも、こだわりポイントです。
曲げわっぱって、結構お高いのですが、いつか手違いで焚火にくべられてしまうのではないかと期待しています。

食べている所にカメラを向ければ、無意識にポージングをしてしまう、天性のモデル。

道中、あやしいカバンを見つけました。
いつからそこにあるのか?何が入っているのか?
開けたら何かがうじゃうじゃわいているのではないか?
そんなドキドキと怖い物見たさで、誰が開けるかジャンケンをしたら、O河がきれいにストレート負けで大爆笑です。

中身は何もわいておらず、椅子が入っていただけでした。
単なる忘れ物のようです。

こういう所も、登るより降りる方が危ないのです。
私は下りで3回落ちたことがありますが、幸い大事には至らずに済みました。

時には岩からスライディングで飛び込み、流木をつかむということもやりつつ、下降します。
登りも降りも、総合的判断で工夫を凝らしつつ、仲間と力を合わせて突破していくことに、沢の楽しみがあるのです。

ホラ貝の上まで戻ってきました。

上からのぞき込んでみますが、ホラ貝の全景は見えません。
上流からウォータースライダーをやる人もいますが、人が死んだ場所でもあるし、ちょっとトライする気にはなれない。

ホラ貝まで戻ってきたら、あとはほぼ普通の歩きに近いので、あっという間に入渓点まで戻れます。

入渓点の河原まで戻ってきました。
実に適当な遡行でしたが、久しぶりにO河を巻き込んでワイワイやれたので本望です。

