初めての野営をプロデュース

廻り目平キャンプ場で初めての野営

廻り目平キャンプ場とは

長野県川上村にある「廻り目平キャンプ場」は、総合的判断で、マイベストキャンプ場です。
場所はこちら。

営業期間は4月中旬~11月中旬、冬は無料で使える(トイレ・水は使用できなくなります)、直火OK、そして何より安い!
一名あたり一泊900円ポッキリです。
世のキャンプ場には、車や人数やテントの張り数などに応じて、それぞれ課金する所もよくありますが、

「そんなの関係ねぇ!」

ないさぎよい料金システム。
人数×泊数×900円です。

営業期間中は、入口のゲートで駐車券を取って入り、帰る時にゲートすぐそばの金峰山荘で料金を支払って、駐車券を処理してもらうと出ることができるシステムです。
なので、チェックイン手続きはなく、何時になっても入場できるというのはめちゃくちゃありがたい!!!
出る時は金峰山荘の営業時間内が基本ですが、そうでない時間に出たい場合は、事前に申し出ておけば可能です。
なお冬期はゲートが開放されており、無料で利用することができます。

出典:http://w2.avis.ne.jp/~mawarime/index.htm

買い出しはナナーズ川上店で

廻り目平キャンプ場から14㎞の場所にあり、隣にはセブンイレブンがあります。
買い物袋が無料でもらえることと、コチジャンみそが美味しいことがポイントです。
ちなみにコチジャンみそは、野菜売り場のキュウリ周辺に陳列されています。
また、薪や着火剤、炭など、これから廻り目平へ行く人にやさしい品ぞろえも魅力です。

野営初めてメンズのご紹介

今回のメンバーは私を含めて4名、同じ会社の管理職仲間です。
誰よりも熱い漢「テツ」、不死鳥の「タケ」、第二の太陽「ニッシー」とでも呼びましょうか。
そんな私達が集うことになったきっかけは、会社のとあるプロジェクトだったので、仕事はイヤなものですが、たまにはいいことあるじゃんと思いました。

ほんっと、たまーーーーに、ね。

そんな今回は、テント泊ほぼ未経験の皆さまを、雨天が予想される中での野営にご招待という計画です。

こちらが今回の三名様

1日目 初めての設営~宴会

まずはタープから張るべし

雨に備えて、最初にゴージュタープを張ります。
ペグを打つ向きが逆だったり、自在金具の使い方が分からなかったりと、なかなか面白い出来事が発生していました。

初めてやることって、色々なことが分からなくて、新鮮で、すごくワクワクすると同時に不安もあったりして、子どもの頃は毎日がそういうワクワクに満ちていたのかもな、と思います。

さあ、童心に帰って楽しもう!

登山でタープを使うことはほぼありませんが、キャンプや沢登りでは大活躍します。
タープがあれば雨でもキャンプを楽しめますし、沢登りではタープの下でごろ寝をするのが定番です。

ゴージュタープは大きくて宴会場にも適していますし、複数名でごろ寝が出来て、沢のド定番タープです。
でもお高いので、キャンプで使うなら重くても関係ないのだし、安い物で全然問題ないでしょう。

野営のテクニックについては数多くの本がありますが、こちらが面白かったですね。

テントで寝床を確保

モンベルのステラリッジ、三人用テントを立てます。
ポールを通すスリーブの場所を探すのに戸惑ったり、ポールを引っ張って通そうとして連結部を外してしまったりと、やはりスムーズには進みません。

登山でテント泊をする場合は、たとえ強風や雨の中でもこれをしなければなりませんし、ソロなら全てひとりで完結する必要があります。
まずは雨が降っていない時に、こうして練習しておくのがよいですね。
「テントの張り方」で検索すれば詳しい解説がいくらでも見つかるとは思いますが、いきなり登山でテント泊するよりは、キャンプで試してみた方が安心です。

ハンモックも体験してみる

私がいつも野営に用いている、ハンモックをお試しいただきました。
包み込まれる心地よさと、木洩れ日の空を見上げる勝利者の気分を満喫したならば、これはポチるしかないでしょう。
テントより安価で軽量コンパクト、木があれば地形を選ばない、寝心地よし、最強の野営術です。
沢登りの時は、いつもこれで寝ています。

ハンモックは、ちょっと傷がつくと、そこから裂けてしまうことがあります。
そんなハンモックの欠点を解決したいという熱い思いから生み出されたのが、このKAMMOK(カモック)のハンモック。
ルーシングルUL、ルーシングル、ルーダブルがありますが、どれを選んでも問題ないでしょう。
少し重くなると、より丈夫になる、というイメージです。

ハンモックの張り方も、どんなスリングを使うと便利とか、ちょっとしたコツがあるので、経験者に教えてもらえればベストです。

寝具のセッティング

テントの設営が終わったら、酔っぱらう前に寝床の支度をしてしまいましょう。
私のサーマレストを2枚貸し出しましたので、私自身はエバニューのFPマットでハンモック泊となりました。
ちょっと寒かった。

ポンプサックの使い方も、初めてだとコツがつかめず、なかなか膨らみません。
これもテント泊に行く前に、一度自宅で試してみましょう。

夏に使うだけで、とにかく軽く、安くなら、このマットが最高。
休憩用のざぶとんにしたり、エアマットの下に敷いたり、マルチに大活躍します。

冬にテント泊をやるなら、このレベルのマットがほしいところ。
登山は金がかかる趣味です。

ニッシーはなんと、ヨガマットを持参(寝るときはサーマレストを使いました)。
寝袋は災害時に備えて購入したものだそうですが、キャンプで使うなら十分。

ちなみにニッシーのザックは、1,500円という破格のお値段で60Lというものでした。
しかし実際の容量はその半分ぐらいだったと思いますが、販売者いわく、

「容量が60Lということではなくて、『60L』という名前のザックなんです」

とのこと。

このヨガマットは、バズーカとしても使えます。

薪集め

続きまして、薪集めです。

通常、キャンプ場で薪集めをすることは、ないでしょう。
そもそも落ちていなかったり、中には、拾うことすら禁じられている所もあります。

しかし廻り目平では、薪を買わなくても焚火をすることが可能です。
買った方がラクだし早いし、火もおこしやすいけど、自力で集めてきた薪で焚火をすると楽しいよ!

と言いつつ、天気も悪くなってきたし、結局いくらかの薪は買いました。

拾ってきた木をノコギリでカット

拾った木は、カットしたり、太さ別に選別したりと、焚火の準備をしていきます。
段取り八分!仕事の基本!

宴会タイム

もろもろの労働を終えたら、乾杯のお時間です!
今日は、みんなですき焼きを囲みます。

すぐに食べられるおつまみとして、鯛とホタテの昆布締めも準備してきました。
お刺身を昆布に並べておくだけで、余分な水分が抜けると同時に、昆布のうまみがプラスされて美味しくなります。
さらに保存性も高まるという、富山県民の暮らしの知恵ですね。

昆布が柔らかくなったら、くるくるっと丸めてコンパクトにできます。
この状態で、保冷剤と一緒に登山にも持って行けます。
そしてこんな時のために、スーパーの刺身パックについているワサビは、取っておくのです。

焚火を囲んでの夜は、実に楽しいもの。
くだらない話と、登山に関する話と、仕事の話と、やっぱりくだらない話と・・・。
今は社員旅行もなくなってしまいましたが、ちょっとした社員旅行みたいな気分でした。
社員旅行も、このぐらい楽しければ最高なんですけどね。

今回事前に持ち物を「必須」と「推奨」でリストアップしておいたのですが、タケはカップも箸ももってきておらず、

「なんもねぇじゃねぇか!」

とツッコミを入れたところ、他2名は

「いつそれを言うかと思ってた」

と爆笑していました。
まあ、言った物を持ってこないことも想定していましたから、シェラカップも割りばしも紙皿も、多めに持ってきておいたので問題なし。

焚火の必需品、軍手と着火剤はこちらがおすすめです。

厚くて丈夫な純綿軍手 綿100%日本製12双 厚地の生地で高温の作業でも。

2日目 屋根岩へクライマー気分のお散歩からの宴会

屋根岩でのティータイムへ

起きたら負け大会優勝者決定の瞬間。

天気予報とは違って、青空が広がる爽やかな朝。
あのギザギザのてっぺんを目指してみることにします。

大駐車場からカモシカ登山道を経由し、屋根岩を目指します。
途中、はしごあり。

ちょっとアスレチック感覚で、楽しんで登っていただいている様子です。

この矢印が目印で、岩登りの方以外入らないでとか書いてありますが、その方面に入っていきます。

登山道ではないので、それなりによじ登らなければなりません。
楽しいことは、登山道の向こう側にあるのだ!

よじ登った先には、このような絶景が。
さすがは「日本のヨセミテ」と言われるだけのことはあります。

なぜかロープがフィックスされて残置されていましたが、クライマーはおらず。

岩場の上でティータイム。
購入したばかりのバーナーを、使ってみるの図。
これもやっぱり、使い方で戸惑う場面があったので、事前に試しておくと安心ですね。

肌寒い日には、ほんのり甘いチャイが美味しいのです。

ちょっと冒険もしてみますが、落ちてもロープがないから助けられないよ。

帰り道は気持ちの良い森歩きになります。
ナナカマドの実が真っ赤に色づき、秋の深まりを感じさせました。
すぐに、冬がやってくることでしょう。

廻り目平は途中外出も可能

無事に幕営地まで戻り、あのギザギザの上まで登ったんだな、と稜線を眺めながら、昨夜のすき焼きの残りを雑炊にしてランチです。

なお今回は二泊しておりますが、一度ナナーズに買い出しに行くために車を出しました。
途中外出する際は、その旨を金峰山荘の受付に申し出ると、対応してくれます。

宴会ふたたび

そして二日目の宴会が、日も高いうちから始まりました。
「おもいのフライパン」は、重くて分厚くてお肉が美味しく焼ける、鋳鉄のフライパンです。
購入当時は注文から納品まで1年待ちでした。
こんな重いものも持ってくることができるのが、キャンプのいいところ。
山や沢だと、こうはいきません。

餃子の皮に、チーズと刻み海苔とちりめんじゃこを挟んで、こんがりと焼きました。
熱燗のつまみに最高!

焚火の扱いにも慣れてきて、テツは焚火2級を獲得。
うちわであおぐと、炎ががぜんやる気を出します。
ただ、灰がすごく飛び散るので、シチュエーションによっては火吹き棒も役立ちます。

火の粉が飛んでも動じないテツいわく、

「全然熱くないよ。俺の方が熱いから。」

3日目 撤収~ガマスラブ見学~清泉寮グルメ

撤収もコツが必要

雨が降り出す前に、お片付けしましょう。
テントのポールを抜く時は、引っ張ってはいけません。
押し出して抜きましょう。
やってみれば、なぜかが分かります。

広げたテントやら何やらを片付けて、ちっさい袋に詰め込んで、元のサイズに収めるというのもコツと慣れを要します。
特に雨の中の撤収は、とても大変!
なのでわざわざ雨の日を狙って、ひとり野営をして、練習したこともありました。

今日は幸いにも、雨が降り出す前に撤収ができました。

美しい渓流が楽しめる場所もあり

まだしばらく天気がもちそうだったので、周辺をお散歩します。

こちらの沢は烏帽子岩左稜線への通り道にあり、かつてクライミングに訪れた際に目を付けた場所です。
林道からわずかに入っただけで、美しい流れに出会えるのが素敵なのです。

果敢に渡渉を試みるニッシー。
ドボンを期待しましたが、無事に飛び石で渡り切ることができました。

チッ。

この流れを見ていると、もうすぐ冬ですが、もう一本沢登りに行きたくなってしまいます。
しかし予定は来月末までいっぱいなので、行くなら12月になってしまうという、遊びすぎ問題。
12月とか、もはやアイスクライミングになってしまう。

クライミングの壁も見学

ついでにガマスラブもご案内。
廻り目平にはたくさんの岩場がありますが、このガマスラブを起点とした「ガマルート」はマルチピッチクライミングの入門ルートとして有名です。
しかし有名と言っても、それはロープを使うような「登山道の向こう側」にいる人達の中での話であって、私も登山を始めたばかりの頃は、そんな世界があることすら考えもしませんでした。

ちょっとだけ登ってみる。
ロープとハーネスを持ってきていたら、思いっきりトライしてもらえたのですが、それはまたの機会ですね。

皆でスリルを楽しんでいました。
私は私で、ここで事故が発生したら責任問題だなと、ハラハラしていました。

清里エリアのおすすめグルメスポット

廻り目平を満喫した後は、清泉寮に立ち寄ります。
清泉寮は標高1380mの高さにあり、東京ドーム15個分の牧草地を有し、牧場や宿泊施設、飲食店、土産物店、散策コースなどの多様なお楽しみスポットを兼ね備えた場所です。
広すぎてどこに行ったらいいか分かりづらいかもしれませんが、目指すべき場所はなんといっても、「ジャージーハット」です。
なので、車はここに停めてください。
ジャージーハットの住所をそのままナビに入力すると、違う所に連れていかれる恐れがありますので、ご注意下さい。

ジャージーハットでは、豊富なメニューのハンバーガーを楽しむことができる他、ホットドッグ、ポテト、コロッケ、山賊焼き、メンチカツなどが食べられます。
ドリンクはコーヒーだけでなく、ジャージー牛乳のカフェラテや紅茶、ハーブティーまであります。

またパン屋も併設されており、一番人気のミルクパンはスライスして軽くトーストすれば、ほんのり甘くてサクフワの絶品。
これにジャージー乳発酵バターを贅沢にトッピングすると、カロリーにもお財布にも罪深い朝食が出来上がります。

ジャージーハットはソフトクリームで有名なのですが、ハンバーガーなどを売っているミルクバーではプリンも販売しており、イートインだとソフトクリームをトッピングしてもらえます。
ソフトクリームをまるまるひとつ食べるのは重たくても、これならハンバーガーを食した後のデザートとして最高なんです!

そんなランチとデザートを楽しみながら、話題はなぜか競馬に移りましたが、やっぱり自分が知らないことを聞くのって面白いですね。
ステイゴールドとかゴールドシップとかオルフェーヴルとか、YouTubeのおすすめに出てくるようになってしまいました。

車をすぐそばに停められる便利さもありつつ、ワイルドな野営の雰囲気を味わうことができ、美しい渓流やクライミングの岩場も見られ、焚火を満喫できるという廻り目平は、四季を通じて楽しめるスポットです。
キャンプを楽しみたい人にも、登山のテント泊の練習をしたい人にも、大変おすすめです。